~買い替えよりも賢い選択とは?~
みなさんは、今お使いの羽毛布団の状態を意識されたことはありますか?
2025年の現在、羽毛布団を取り巻く環境は大きく変わってきています。昔は3万円台でも上質なグースダウンが手に入る時代がありました。しかし近年、ダウンの価格は世界的に高騰し、現在では同じ品質を求めると6万円以上、他店(他社)によっては10万円を超えることも珍しくありません。そのため、10年以上前に購入された羽毛布団の多くは、実は今ではなかなか手に入りにくい良質なグースダウンを使用しているケースが多いのです。
一方で、新品を購入しようとすると、同じご予算で手に入るのはグースではなくダックダウンになる場合も増えてきています。もちろん新品には新品の魅力がありますが、もし今お手元の羽毛布団が大きな破損や劣化をしていないのであれば、「リフォーム(打ち直し・仕立て直し)」という選択肢も非常に賢い判断となり得ます。なぜなら、リフォームにかかる費用は約3~10万円程度からで、品質の良いグースダウンを活かして再生できるからです。※生地品質・補充羽毛・キルティングによって価格は異なります。
今回は、羽毛布団リフォームの魅力と注意点を、専門店ならではの視点からお伝えします。
◆ 羽毛布団リフォームとは?
リフォームとは、長年使ってヘタってきた羽毛布団の羽毛を取り出し、洗浄・除塵・乾燥を行い、必要に応じて新しい羽毛を足し、全く新しい側生地に入れ直すことをいいます。
つまり「中身の羽毛を活かして新品に仕立て直す」こと。これにより、ふっくらとしたボリュームと清潔さを取り戻せるのです。
新品を購入するよりも費用を抑えられるうえ、長年一緒に眠ってきた愛着ある布団を使い続けられる――それが最大のメリットです。
◆ こんなサインが出たらリフォームの時期かも
生地が擦れて破れそう、シミが目立つ
羽毛が片寄り、暖かさにムラが出る
ボリュームがなくなり、軽さ・保温力を感じにくい
羽毛が吹き出してきて部屋に舞う
10年以上使用している
特に、10年以上使った羽毛布団は見た目がきれいでも、中の羽毛が汚れや皮脂を含んでへたっているケースが多いです。「まだ使える」と思っていても、いざリフォームすると驚くほどふっくらよみがえることもあります。
◆ リフォームでできること・できないこと
できること
羽毛の徹底洗浄で清潔に
足し羽毛でボリューム復活
側生地を新しくして見た目も新品同様
サイズ変更(シングル→ダブルなど)も可能
できないこと
安価な羽毛布団で羽毛の質が低い場合、リフォームしても十分な仕上がりにならない
羽毛が粉状に劣化している場合は再生不可
このため、「リフォームする価値がある羽毛布団かどうか」を専門店で診断してもらうことが大切です。
◆ リフォームと買い替え、どちらが良い?
もちろん、布団の状態によっては買い替えをおすすめする場合もあります。たとえば、中身の羽毛がほとんど壊れていて保温力が戻らない場合や、シングルからダブルへ変更など大きなサイズ変更を希望する場合は、新品の方が適していることもあります。
しかし多くのお客様の場合、10年~15年前に購入された羽毛布団は当時の品質がとても良く、「中身はまだ使えるのに…」というケースが圧倒的に多いのです。そうした布団は、まさにリフォームのベストタイミングと言えるでしょう。
例えばシングルサイズの羽毛布団を新品で買えばふとんの新保の場合、品質にもよりますが
ダックダウン羽毛布団:約4万円~
グースダウン羽毛布団:約6万円~
※他店(他社)の場合、グースダウンは10万円を超えるものがほとんどです。
※安い理由:高くなる前に仕入れた。中量は1.1kgと通常より少な目
一方リフォームは3万~10万円程度が一般的。新品を買うよりもコストを抑えつつ、ハイクラスの羽毛を長く活かすことができます。
※当店の場合、リフォーム平均単価5万円前後が多いです。
特にヨーロッパ産グースなど上質な羽毛が入った布団は、羽毛自体の寿命が長いため、リフォームのメリットが大きいです。
◆ よくあるリフォームの失敗例
安すぎるリフォームで結局後悔
安価な業者に頼んだら、洗浄が不十分でニオイが残ったり、側生地の質が悪くてすぐ破れた…というケースも。安物布団を無理にリフォーム
元々の羽毛がダック(アヒル)やフェザー多めの場合、リフォームしてもふっくら感が戻らないことがあります。相談なしで勝手に仕上げられる
側生地やキルト(縫い目の形)を選ばせてもらえず、「思っていた仕上がりと違う」という声も。
◆専門店だからできる羽毛布団診断
ふとんの新保では、羽毛診断士がお客様と一緒に確認しています。
中身の傷み具合チェック
側生地の傷み具合チェック
キルティングの確認(中身が動く?動かない?)
同じ2gの羽毛でもこれだけボリュームが異なりますよ
傷み具合によってリフォーム?買い替え?を検討していただければ幸いです。
◆ ふとんの新保の羽毛布団リフォーム
当店では、羽毛を1枚ずつ丁寧に取り出し、洗浄・乾燥を行います。さらに不足分は厳選した上質ダウンを補充し、新しい生地に入れ直します。
お客様のご要望に応じて、
サイズ変更
側生地の種類(綿100%・軽量タイプなど)
キルトパターン(片寄り防止キルト・ノーマルキルトなど)
使う季節に合わせて中綿量を変更(冬用・春秋用・夏用など)
補充羽毛の質・量(傷み具合によってグース90%100g~マザーグース95%300gなど選べます)
などをお選びいただけます。
結果として、「新品を買ったように快適!」と喜んでいただく方が多いのです。
◆ 悪い例・良い例でイメージしてみましょう
悪い例:10年以上前の布団をそのまま使い続け、寒い夜に何枚も重ねて寝る。羽毛が片寄り、夜中に寒くて目が覚める。
良い例:リフォームでふっくら蘇った布団に包まれ、1枚でポカポカ。重さを感じず、朝までぐっすり眠れる。
同じ布団でも「手をかけるかどうか」で快適さが大きく変わるのです。
◆ まとめ
2025年の羽毛布団事情を踏まえると、買い替えよりもリフォームの方が賢い選択となる場合が増えています。特に、10年以上前に購入された羽毛布団をお持ちの方は、その中身の価値をぜひ見直していただきたいと思います。高品質なグースダウンを再利用することで、コストを抑えつつ、快適な眠りを取り戻すことができるのです。
羽毛布団はただの“寝具”ではなく、私たちの眠りの質を左右する大切なパートナー。
買い替えかリフォームか迷ったときは、まず一度ご相談ください。お手持ちの布団の中身を確認し、「リフォームに適しているかどうか」を丁寧にお伝えいたします。
「まだ使える」と思っていた布団も、実は中を見てみると羽毛が疲れているかもしれません。
ふっくらよみがえった羽毛布団で、今年の冬は極上の眠りを手に入れてみませんか?