羽毛ふとんにカバーを掛けた方がいいの?
羽毛ふとんは、軽くて暖かく、冬の眠りを快適にしてくれる優れた寝具です。ですが「羽毛ふとんをどう扱うか」で、その寿命や使い心地は大きく変わってしまいます。特に大切なのが カバーを掛けて使うこと。これは見た目のためだけではなく、ふとんを守り、快眠を守るための必須の習慣です。今回は、羽毛ふとんにカバーを付ける理由と、正しいカバー選び・使い方について掘り下げてみましょう。
1. カバーを掛ける理由
羽毛ふとんはそのまま使うと、どうしても汚れやすくなります。汗・皮脂・ホコリが直接ふとんに付着してしまい、側生地を傷めたり、中の羽毛が劣化する原因になります。羽毛は湿気に弱いため、汚れが残ると ふくらみが損なわれ、保温力の低下 につながります。
さらに、羽毛ふとんはクリーニングの手間も費用も大きいため、頻繁に丸洗いするわけにはいきませし、回数が多くなるにつれ側生地・中身(ダウン)も傷んでしまいます。そこで、毎日体に触れる「カバー」がバリアとなり、ふとんを汚れから守ってくれるのです。カバーを使うことで、羽毛ふとん本体を清潔に保ち、結果として長く快適に使えるようになります。
2. カバーは綿100%が良い理由
カバーの素材は様々ありますが、おすすめは 綿100%の天然素材 です。綿は吸湿性・通気性に優れ、寝汗をしっかり吸い取り、放湿してくれます。その結果、寝床内の湿度が快適に保たれ、蒸れにくくなります。
一方、ポリエステルなどの化学繊維が多く含まれるカバーは吸湿性に乏しく、どうしても蒸れやすくなります。羽毛ふとんは湿気を嫌うため、化繊カバーを使うと 内部の羽毛が湿気を抱え込みやすくなり、ヘタリの原因 になってしまいます。
綿100%のカバーを使うことは、ふとんだけでなく、眠る人の 肌にもやさしい のがメリットです。静電気も起きにくく、肌触りも自然。羽毛ふとんの良さを最大限に生かすには、綿100%カバーが欠かせません。
3. カバーは定期的に洗う(目標は2週間に1回程度)
カバーは毎日肌に触れるため、実はパジャマ以上に汗や皮脂を吸っています。特に冬場でも一晩でコップ1杯分の汗をかくと言われており、その大半がカバーに染み込んでいます。
清潔を保つためには、2週間に1回程度の洗濯 を目安にしましょう。季節や体質によっては、1週間に1回の洗濯でも良いくらいです。
「ふとん本体は洗えないけれど、カバーなら家庭で簡単に洗える」――この利便性を生かすことで、羽毛ふとんを常に清潔に保ち、快適に眠れる環境をつくることができます。
4. 最近流行のマイクロファイバーのカバーは避けた方が良い理由
ここ数年、やわらかくて暖かいと人気の「マイクロファイバー」素材のカバーや毛布が多く販売されています。たしかに触り心地は良く、最初は「ふわふわで気持ちいい」と感じられます。
しかし、羽毛ふとんと合わせて使うには注意が必要です。マイクロファイバーは化学繊維でできており、吸湿性がほとんどありません。そのため、寝ている間にかいた汗や湿気をため込んでしまい、寝床内が蒸れやすくなります。結果として、
夜中に暑くて布団を蹴ってしまう
蒸れで寝苦しさを感じる
羽毛ふとんの内部まで湿気がこもり、羽毛がへたりやすくなる
静電気が起きやすく、羽毛を傷める(玉ダウン化)可能性もあります。
といったデメリットが出やすいのです。
羽毛ふとんを長く快適に使うためには、「ふんわり感」よりも「湿度コントロール」 を優先することが大切です。マイクロファイバーよりも、天然素材の綿カバーや麻混カバーをおすすめします。
5. 最後に ― 体と布団の間にケット(天然素材の毛布・タオルケット)を掛けた方が良い理由
羽毛ふとんは本来「体に直接かけて使う」のが基本というお店もあるかもしれません。
ですが、冷えや寒さが気になる方には、体と羽毛ふとんの間に 天然素材のケット(毛布・タオルケット) を1枚挟むのがおすすめです。
理由は2つあります。
保温効果のアップ・調整機能
カラダと布団の間の隙間を埋めるため体の熱を逃がさず、羽毛ふとん内の空気を効率よく温めてくれます。
直接よりは、温度・湿度調整もするので、暑くて寝苦しくなるのを抑えてくれます。ふとんの汚れ防止
ケットが汗や皮脂を吸収してくれるため、羽毛ふとん本体が汚れにくくなります。
特におすすめは ウールやコットンなどの天然素材 のケットです。化学繊維のケットは吸湿性が乏しく、蒸れやすくなるため避けた方がよいでしょう。
さらに肌触りの良いケット(マイクロファイバー・フリース素材)は羽毛布団との相性が悪く、羽毛布団が滑ったり・蒸れたりするので控えましょう。
まとめ
羽毛ふとんは適切な扱い方で、10年・20年と長く使える高品質な寝具です。そのためには 「カバーを掛けて使う」ことが絶対条件。さらに、
綿100%のカバーを選ぶ
2週間に1回を目安に洗う
マイクロファイバー素材は避ける
必要に応じて天然素材の毛布を間に入れる
といった工夫をすることで、羽毛ふとんの快適性と寿命は大きく変わります。
見た目や肌触りだけでなく、「ふとんを守る・眠りを守る」ために、正しいカバー選びとお手入れを意識してみてください。
