子どもは「寒がり」ではなく「汗っかき」
――年齢別に見る、眠りと体温のほんとうの話
「子どもは大人より寒がりだから、しっかり温かくしてあげてくださいね」
そんな言葉を、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
ですが、寝具専門店として長年お客さまと接してきた中で、私たちは少し違う実感を持っています。
実は、子どもは“寒がり”というよりも“汗っかき”。
しかもその傾向は、赤ちゃん・園児・小学生と、成長段階ごとに少しずつ形を変えて現れます。
今回は、「体温調節が未熟」という言葉だけでは説明しきれない、
子どもの眠りと汗の関係を、実際の店舗での体験談を交えながらお話しします。
子どもは、大人より「熱をつくりやすい」
まず前提として知っておきたいのは、
子どもは大人に比べて基礎代謝が高いということです。
体が小さいぶん、エネルギーをたくさん使い、
その結果として熱も生まれやすい。
そのため、
「触ると冷たい気がするから」
「手足が少しひんやりしているから」
と、大人の感覚で判断して寝具を厚くすると、
寝ている間に体の中で熱がこもってしまうことがあります。
【赤ちゃん】背中がしっとり…それは“冷え”ではありません
赤ちゃん用寝具をご相談に来られるお客さまで、とても多いのがこのケースです。
「夜中に起きて背中を触ると、しっとり汗をかいていて…
冷えているんじゃないかと心配で、毛布を足しました」
実際にお話を聞いてみると、
エアコンは弱め、室温も適温。
でも敷き布団と掛け物が保温性の高い素材で揃っている、ということが少なくありません。
赤ちゃんは自分で「暑い」「寒い」を調整できません。
汗をかいても布団をはいだり、足を出したりすることができないため、
汗=冷えそう=さらに温めるという悪循環に入りやすいのです。
本来、赤ちゃんの汗は
「体温を下げようとする自然な反応」。
大切なのは、汗をかかせないことではなく、
汗をかいても熱がこもらない環境を整えてあげることなのだと、私たちは感じています。
【園児】朝起きると、首元と背中だけがびっしょり
保育園・幼稚園用のお昼寝布団でよくあるご相談です。
「家ではそんなに汗をかかないのに、
園のお昼寝だと、首の後ろがいつも濡れているんです」
園では、
みんな同じ時間に寝る
空調は“平均的な設定”
自分で布団を調整できない
という環境になります。
その中で、保温性が高く、湿気を逃がしにくい素材を使っていると、
体の中で生まれた熱と汗の逃げ場がなくなってしまいます。
実際に、敷き布団の中材やカバー素材を見直しただけで、
「汗の量が減りました」
「起きた後も機嫌がいいです」
という声をいただくことも珍しくありません。
園児の眠りは「長さ」よりも「質」。
短い昼寝だからこそ、ムレにくさ・放湿性が大きく影響します。
【小学生】汗をかくのに、なぜか「寒い」と言う理由
少し成長した小学生になると、こんな声も増えてきます。
「寝るときは寒いって言うんですが、
朝になるとパジャマが汗で湿っているんです」
これは、寝入りばなの冷えと、
深い眠りに入ったあとの発汗が同時に起きている典型的な例です。
寝始めは体温がまだ高くならず、寒く感じやすい。
でも眠りが深くなると、体温は自然に下がり、汗をかいて調整し始めます。
このとき、
「寒いと言ったから」と厚手の寝具を使うと、
後半に汗が逃げず、体を冷やす原因になることも。
小学生くらいになると、
「朝だるい」「布団から出たくない」といった不調として現れることもあり、
私たちは寝具の影響を軽視できないと感じています。
「温かい」より、「調節できる」寝具へ
ここまで見てきたように、
子どもの眠りに本当に必要なのは、
・過剰に温めないこと
・汗と熱の逃げ道をふさがないこと
です。
もちろん、寒さ対策は必要です。
ただしそれは、
「とにかく温かくする」ことではなく、
自然に体温調節ができる環境を用意するという意味です。
素材選び、厚み、重さ。
ほんの少しの違いで、子どもの眠りは驚くほど変わります。
次回予告につなげて
次回は、こうした「汗と熱の逃げ場」という視点から、
素材ごとの特徴について、もう一歩踏み込んでお話しする予定です。
「軽くて暖かい」と言われる素材が、
本当に“眠りに向いている”のかどうか。
それを判断するヒントを、
引き続き寝具専門店の立場からお伝えしていきます。
※画像は全て生成AI「gimini」にて作りました。
