連載コラム:その睡眠常識、疑ってみませんか?
私たちは、いつの間にか「正しい睡眠」を教えられています。
でもその常識は、本当にあなたの体に合っているでしょうか。
第1回 「8時間寝ないとダメ」は本当か?
「睡眠は8時間が理想です」
一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。
6時間しか眠れなかった日は、
どこか不安になる。
7時間でも「少し足りない気がする」。
でも、本当にそうでしょうか?
■ なぜ「8時間」が広まったのか
多くの研究では、
成人の推奨睡眠時間はおよそ7〜9時間とされています。
その“真ん中”が8時間。
だから「8時間」がひとり歩きしました。
けれどこれは、あくまで平均値です。
平均は目安にはなりますが、
正解ではありません。
■ 体はもともと個人差でできている
身長も、体重も、体温も違う。
食べる量も、疲れ方も違う。
それなのに、
睡眠時間だけが全員同じというのは
少し不自然です。
実際には、
・6時間で安定する人
・9時間でようやく回復する人
・季節で変わる人
・年齢とともに短くなる人
さまざまです。
■ レム睡眠・ノンレム睡眠の話
睡眠は大きく分けて
・脳が休む「ノンレム睡眠」
・体が休む「レム睡眠」
が交互に訪れます。
よく「90分周期」と言われますね。
「1時間半単位で起きるとすっきりする」
と聞いたことがある方も多いでしょう。
確かに平均すると約90分前後です。
ですが、ここにも個人差があります。
実際には
・70分ほどの人
・110分近い人
・体調で変わる人
もいます。
つまり「90分×◯回=正解」という
単純な話ではないのです。
■ 問題は“時間”より“回復”
8時間眠っても疲れが抜けない人もいれば、
6時間で元気に動ける人もいます。
大切なのは、
・寝つきはどうか
・夜中に何度も起きていないか
・朝の目覚めはどうか
・日中の集中力は保てているか
“翌日の状態”です。
睡眠は数字ではなく、
回復の感覚で見るほうが自然です。
■ 8時間に縛られると起きること
「あと2時間寝なきゃ」
そう思うほど、眠れなくなる。
時計を見る。
焦る。
眠れない自分を責める。
その緊張こそが、
眠りを浅くしてしまいます。
■ では、何を基準にすればいいのか
目安はシンプルです。
・日中に強い眠気がない
・集中力が保てる
・休日に極端な寝だめをしない
これが整っていれば、
それがあなたの“適正時間”かもしれません。
■ 睡眠は「理想時間」ではなく「適正時間」
8時間はひとつの目安。
でも、絶対条件ではありません。
90分周期も、目安にすぎません。
睡眠は、
数字を達成する競技ではありません。
大切なのは、
「自分の体がどう感じているか」。
常識は安心をくれます。
けれど、ときに
私たちを縛ることもあります。
あなたの睡眠は、本当に8時間必要ですか?
少しだけ、疑ってみてもいいのかもしれません。
