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まくらで不調は改善する?|睡眠常識を疑う②

連載コラム
その睡眠常識、疑ってみませんか?

睡眠については、さまざまな情報があります。
健康番組や雑誌、インターネットでも「これが正しい睡眠」と紹介されることが増えました。

けれど、その中には、少し立ち止まって考えてみたいものもあります。

この連載では、当たり前のように語られている睡眠の常識を、改めて静かに見直してみることをテーマにしています。

「本当にそうなのだろうか?」

そんな視点から、睡眠について考えてみたいと思います。


第2回

「まくらで不調は改善する」は本当か?

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「肩こりがあるから、このまくらがいい」
「首の痛みは、まくらを変えれば治る」

そんな言葉をよく耳にします。

確かに、まくらは睡眠の快適さに関係する道具です。
高さや硬さが合わないと、首や肩に負担がかかることもあります。

その意味では、自分に合ったまくらを選ぶことは大切です。

ただし、ここで一つ立ち止まって考えてみたいことがあります。

本当に、まくらだけで体の不調は変わるのでしょうか。


体の不調の原因は一つではない

まくら悩み②

肩こりや首の痛みの原因は、
姿勢、運動不足、ストレス、生活習慣など、さまざまです。

また、睡眠の質に影響する要素も、
寝具だけではありません。

・寝る前の生活習慣
・室温や光
・精神的な緊張
・体の状態

こうした多くの要因が重なって、睡眠は成り立っています。

つまり、まくらだけで全てが変わるわけではないということです。

まくら悩み④


医療的な問題が関係することもある

さらに、睡眠中の不調の中には、
寝具では解決できないものもあります。

その代表的な例が、睡眠時無呼吸症候群です。

睡眠時無呼吸症候群と診断されると、
CPAP(シーパップ)という装置による治療が始まることも少なくありません。

CPAPは、睡眠中の呼吸を助ける有効な治療法のひとつです。
しかし本来は、機械に頼る前に、無呼吸が起きている原因を丁寧に見極めることも重要です。

体重、顎の構造、鼻や気道の状態、生活習慣など、
無呼吸の背景にはさまざまな要因が関係しています。

原因によっては、生活習慣の改善や別の治療方法によって、
状態が変わる可能性もあります。

「まくらで改善するはず」
「機械を使えばすべて解決する」

どちらも、少し単純すぎる見方なのかもしれません。


まくらは「治す道具」ではなく「整える道具」

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まくらの役割は、
体の不調を直接治すことではなく、

寝ている姿勢を自然に保つことです。

立っているときの姿勢に近い状態を保てれば、
首や肩への負担は少なくなります。

その意味で、まくらは
「体を治す魔法の道具」ではなく、
睡眠環境を整えるための道具と考えるほうが自然でしょう。


情報が多い時代だからこそ

今は「この寝具で改善」「この素材で健康」という
わかりやすい情報があふれています。

しかし、睡眠や体の状態は本来とても個人的で、
一つの方法がすべての人に当てはまるわけではありません。

まくら悩み⑤.jpg

だからこそ、

少し距離を置いて情報を見ること
自分の体の感覚を大切にすること
自分の体型と異なれば合う高さが変わること

それが、睡眠を考える上で大切なのかもしれません。


では、もう一つ考えてみたいことがあります。

最近の寝具では
「高機能素材」「特殊素材」「最新テクノロジー」
といった言葉をよく見かけます。

本当に、そこまで多くの機能が必要なのでしょうか。

次回は、

第3回「多機能素材」は本当に必要か?

寝具の世界でよく語られる「高機能素材」について、
少し視点を変えて考えてみたいと思います。

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