連載タイトル: 羽毛布団より暖かいってホント!?|広告の言葉だけでは分からないこと
第3回:「洗える掛け布団」は本当に便利?|洗濯で傷まないの?
最近は「自宅で洗える掛け布団」や「丸洗いOK」と表示された商品をよく見かけるようになりました。
汚れたときに自宅で洗えるのは、とても便利ですよね。
特に、小さなお子様がいるご家庭や、ペットと一緒に暮らしている方にとっては、清潔に保ちやすいという安心感もあると思います。
一方で、気になることもあります。
「何度も洗って大丈夫なの?」
「洗濯すると中綿が傷まない?」
「コインランドリーの乾燥機を使ってもいいの?」
実は、洗える掛け布団だからといって、何度洗っても傷まないわけではありません。
今回は、洗える掛け布団のメリットと、洗濯・乾燥で気を付けたいことについて考えてみます。
1.「洗える掛け布団」のメリットとは?
洗える掛け布団の一番のメリットは、汚れが気になったときに洗濯できることです。
寝ている間には汗をかきますし、皮脂やほこりなども少しずつ寝具に付着していきます。
また、小さなお子様がいるご家庭では、飲み物をこぼしたり、食べ物やその他の汚れが付いたりすることもあります。
そんなとき、自宅で洗える掛け布団なら、汚れが気になったタイミングで洗濯できるため便利です。
クリーニングに出す手間や費用を抑えられる場合もあります。
ただし、ここで注意したいのが、「洗える」という表示は、どのような洗い方でも大丈夫という意味ではないということです。
洗濯機の容量や洗い方、使用できる洗剤、乾燥方法などは商品によって異なります。
洗濯表示やメーカーの取扱説明書を確認して、指定された方法でお手入れすることが大切です。
2.洗濯を繰り返すと、中綿が傷むこともある?
掛け布団は、表面の生地だけでなく、中に入っている綿や繊維によって暖かさやふくらみが保たれています。
ところが、洗濯を繰り返すことで、中綿に負担がかかる場合があります。
例えば、次のような変化です。
中綿が片寄ったり、固まったりする
繊維が絡み合い、ふくらみが戻りにくくなる
中綿の弾力性が低下する
側生地や縫い目に負担がかかる
こうした変化が起きると、布団本来のふくらみが失われ、暖かさや掛け心地にも影響する可能性があります。
もちろん、洗濯できるように設計された商品であれば、適切な方法で洗うことを前提に作られています。
すべての洗える掛け布団が、洗濯によってすぐに傷むわけではありません。
ただし、洗濯できることと、洗濯による劣化が起きないことは別です。
汚れが気になるからといって必要以上に洗濯を繰り返すのではなく、日頃のお手入れも組み合わせながら使うことが大切です。
3.洗濯後の乾燥も大切!中まで乾いていますか?
布団を洗った後に、特に気を付けたいのが乾燥です。
表面が乾いているように見えても、中綿にはまだ水分が残っていることがあります。
十分に乾かないまま使用したり、収納したりすると、湿気がこもり、カビや嫌な臭いの原因になることがあります。
特に厚みのある掛け布団は、内部まで乾燥させるのに時間がかかります。
洗濯後は、製品の取扱説明に従って、しっかり乾燥させることが重要です。
コインランドリーの乾燥機なら、早く乾かせる?
家庭で洗濯した布団を、コインランドリーの大型乾燥機で乾かす方もいらっしゃると思います。
大型乾燥機は短時間で乾燥できるため便利ですが、どの布団にも使えるわけではありません。
特にポリエステルの中綿は、熱で溶ける性質を持っています。
ただし、ポリエステルは合成繊維の中では比較的耐熱性が高い素材でもあり、適切な温度であれば乾燥機を使用できる製品もあります。
問題になるのは、高温や長時間の熱によって、繊維が縮んだり、変形したりする可能性があることです。
また、布団の側生地やキルティングの仕様によっても、乾燥機への適性は変わります。
そのため、「ポリエステル100%だから大丈夫」と判断するのではなく、洗濯表示でタンブル乾燥が可能かどうかを確認することが大切です。
乾燥機が使用できる場合でも、機械の温度設定を確認し、必要以上に高温・長時間で乾燥させないようにしましょう。
早く乾かすことだけを優先すると、布団を傷めてしまうこともあります。
大切なのは、早く乾かすことではなく、布団を傷めずに、中までしっかり乾かすことです。
4.羽毛布団も洗える?洗い方には注意が必要です
「洗える掛け布団」というと、ポリエステルなどの化学繊維を使った商品をイメージする方が多いかもしれません。
では、羽毛布団はどうでしょうか?
実は、羽毛布団も基本的には水洗いによるクリーニングが可能なものが多く、クリーニング店などで丸洗いすることができます。
最近では、自宅で洗えるように作られた羽毛布団も販売されています。
ただし、すべての羽毛布団が家庭で洗えるわけではありません。また、コインランドリーで洗えるかどうかも、商品によって異なります。
特に、シルクなどの特殊な側生地を使用した商品は、専門のクリーニング店での取り扱いが必要になる場合があります。
また、羽毛布団は洗濯後の乾燥も重要です。
中まで十分に乾燥していないと、羽毛が固まったり、臭いの原因になったりすることがあります。
自宅やコインランドリーで洗う場合は、必ず洗濯表示やメーカーの取扱説明を確認しましょう。
自分で洗うことが難しい場合は、布団の状態に合った専門のクリーニングを利用する方法もあります。
5.そもそも、布団を頻繁に洗う必要はある?
ここで、もう一つ考えておきたいことがあります。
それは、掛け布団を頻繁に洗わなくても、日頃のお手入れで清潔に保つ方法があるということです。
① カバーを使用し、定期的に洗濯する
掛け布団を使うときは、カバーを掛けることをおすすめします。
カバーは、布団に直接付着する汗や皮脂、ほこりなどをある程度防いでくれます。
ただし、カバーを掛けていれば汚れないというわけではありません。
カバー自体にも、寝ている間の汗や皮脂などが付着します。
そのまま長期間洗わずに使い続けると、カバーに付いた汚れが布団に移ってしまうこともあります。
カバーも毎晩使う寝具の一つです。
洗濯の目安としては、2週間に1回程度をおすすめします。
夏場や汗をかきやすい方、汚れが気になる場合は、週に1回程度など、もう少しこまめに洗濯するとよいでしょう。
カバーを定期的に洗うことは、掛け布団そのものを汚れにくくするためにも大切です。
② 湿気を逃がす
寝ている間には汗をかき、布団にも湿気がたまります。
そのため、起床後は掛け布団を広げたり、風を通したりして、湿気を逃がすことが大切です。
天日干しができるかどうかは素材や製品によって異なりますので、洗濯表示や取扱説明書を確認しましょう。
直射日光を避ける必要がある商品は、風通しのよい日陰で干す方法もあります。
また、布団乾燥機を使用できる商品であれば、取扱説明書に従って活用するのもよいでしょう。
③ 汚れや傷みを定期的に確認する
布団の表面だけでなく、襟元や首が当たる部分なども確認してみましょう。
汗や皮脂が付着しやすい場所は、黄ばみや汚れが目立ってくることがあります。
長く使用している布団は、側生地が弱くなったり、縫い目が傷んだりしている場合もあります。
汚れや傷みが気になったら、洗濯する前に、その布団に適したお手入れ方法を確認することが大切です。
6.「洗えること」と「長く快適に使えること」は別
今回の内容を整理すると、洗える掛け布団には、汚れたときに自宅で洗濯できるという大きなメリットがあります。
一方で、洗濯や乾燥の方法によっては、中綿や側生地に負担がかかることもあります。
また、洗濯できる商品であっても、乾燥まで適切に行わなければ、カビや臭いの原因になる可能性があります。
そして、掛け布団を清潔に保つためには、布団そのものを頻繁に洗うことだけが方法ではありません。
カバーを定期的に洗い、湿気を逃がし、日頃から状態を確認することも大切です。
「洗える」という便利さだけで選ぶのではなく、洗濯や乾燥の方法、日頃のお手入れまで考えて選ぶこと。
それが、布団を長く快適に使うためのポイントです。
まとめ|便利さだけでなく、使い続けることまで考えて選びましょう
最近は、洗えることを大きな特徴として紹介する掛け布団が増えています。
もちろん、自宅で洗えることは便利です。
ただし、洗濯できるからといって、何度洗っても傷まないわけではありません。
また、乾燥機の使用についても、素材や製品によって注意点が異なります。
寝具は、購入したときの使いやすさだけでなく、何年も使い続けることを考えて選ぶことが大切です。
「洗えるから便利そう」という理由だけで決めるのではなく、自分の生活スタイルや、お手入れのしやすさも含めて選んでみてはいかがでしょうか。
ふとんの新保では、素材や構造の違いだけでなく、お手入れ方法や長く使うためのポイントもお伝えしています。
掛け布団選びや、今お使いの布団のお手入れで気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
ふとんの新保は、寝具を販売して終わりではなく、気持ち良く眠れる環境づくりをお手伝いしています。
